名蔵アンパル|Nagura Amparu

名蔵アンパルは日本でみられるマングローブ林のなかでも代表的なものです。マングローブは日本では南西諸島を中心とした限られた範囲にのみ分布しています。名蔵アンパルでみられるマングローブ植物にはオヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキ、ヒルギダマシなどがあり、種によっては支柱根や膝根(じっこん)と呼ばれる他の植物とはちょっとちがった姿や形の根を持っています。また、干潟にはゴカイや多種多様なカニをはじめとする様々な底生生物が生息しています。

こうした底生生物などの豊富な餌と安全な環境のおかげで、セイタカシギ、アカアシシギなどのシギ・チドリ類をはじめと、水鳥の貴重な中継地及び越冬地になっています。また、ヤエヤマ所等を北限とするカンムリワシ(国指定特別天然記念物)やリュウキュウコノハズク等の鳥類の生息の場にもなっています。

石垣島では「あんぱるぬみだがーまゆんた」という民謡が歌い継がれてきました。この民謡は名蔵アンパルでみられるカニを擬人化することによって歌い上げた「ゆんた(労働歌)」です。その歌詞では、主人公である「みだがーま(目高蟹)」の生年祝いに、いろいろなカニたちが集まり宴会が始まっていく様子が描かれています。民謡にも歌われていることからもわかるように、名蔵アンパルは古くから島の人々に親しまれている場所と言えるでしょう。

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