漫湖について知る | Facts about Manko

■漫湖と国場川水系

漫湖には「国場川水系」に属する2つの河川「国場川」と「饒波川」が流れ込みます。国場川水系は那覇市、豊見城市、糸満市、南城市、与那原町、八重瀬町、南風原町の4市3町にまたがる63.85平方キロメートルの流域面積を持ちます。
国場川は源流を西原町と与那原町の境界にある運玉森(標高158m)に持ち、南風原町の南風原北IC付近から兼城交差点付近へと流れ、那覇市の国場付近で長堂川と合流する長さ11.25kmの河川です。饒波川は南城市の大里城址付近に源流を持ち、東風平町を経て豊見城総合公園付近を流れ漫湖で国場川と合流します。
かつて、国場川は水の汚れが全国ワースト4に入るほど汚れた川でした。最近では下水道の整備や養豚場からの排水の改善などの影響により、水質はずいぶんと改善されてきています。 また、国場川流域の市町村が「国場川水系環境保全推進協議会」を結成し、「国場川水あしび」などのイベントを開催しています。

 

■漫湖の歴史

漫湖という名前は、1600年代の中国の古い資料に初めて登場します。1700年ごろの漫湖は那覇港の奥に広がる入江であり、その中にいくつかの島が浮かんでいた状態だったようです。琉球王朝時代には中国からの船が漫湖に停泊している様子が描かれています。

大正時代になると那覇の街は埋立てが進みましたが、漫湖周辺はあまり埋立てられておらず、内湾的な状態を保っていました。戦後、那覇の街の市街化が進むにつれ漫湖の周辺が埋め立てられ、現在の姿になりました。新旧の地形図を比較すると、1919年(大正8年)には約181haであった漫湖の面積は2000年(平成12年)には約67haに減少しており、漫湖はおよそ4割の規模になったことがわかります

また、漫湖は豊見城城址やハーリー発祥の地としての歴史的・文化的価値も有しています。

漫湖のマングローブの歴史

※出典:『平成15年度漫湖地区自然再生推進計画調査事業報告書』同報告書において漫湖は那覇港から真玉橋・石火屋橋までの範囲とされている。

 

■漫湖の生きもの

都市の中にありながら、様々な生きものが観察できる漫湖。干潟・マングローブ林・ヨシ原など様々な環境が狭い範囲に隣りあって分布しています。

漫湖の自然と環境

水鳥

漫湖は水鳥の宝庫として知れらており、これまでにムナグロハマシギダイシャクシギなどのシギ・チドリ類をはじめとする170種以上の鳥類が観察されています。沖縄を含む琉球列島は、日本や朝鮮半島などの東北アジアと台湾、フィリピンなど東南アジアをつなぐ渡り鳥の重要な中継点となっているのです。漫湖は鳥類の豊富なことから、1977年には国指定の鳥獣保護区に、1999年にはラムサール条約の条約湿地として登録されました。

特筆すべき種としては、世界的に希少なクロツラヘラサギズグロカモメに加えて、環境省のレッドデータリスト(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に掲載されているアカアシシギコアジサシ(絶滅危惧2類)やミサゴ(準絶滅危惧)などがあげられます。

漫湖でみられる水鳥の図鑑

近年、漫湖に飛来する水鳥の減少が心配されています。1970年代の冬には合計約7,000羽が記録されていた漫湖の水鳥の個体数は、1980年代中ごろは3,400羽※1に、そして近年(2000年代後半~2010年代はじめ)では300~600羽程度※2まで減少しました。水鳥の減少の原因については県や国が実施した調査で検討されており、水鳥の減少の背景には上流域からの土砂や生活排水などの流入、マングローブ林の拡大と干潟面積の縮小など様々な要因があるのではないかと結論付けられています。

※1 沖縄野鳥の会の調査結果
※2 平成24年度国指定漫湖鳥獣保護区における鳥類調査業務 報告書

マングローブ

漫湖の南岸にはマングローブ林が広がっています。マングローブ林には汽水域であっても枯れることのない独特の植物が生育し、カニや魚など様々な生物の生息地となっています。

漫湖のマングローブ

 

■市民の憩いの場「漫湖」

漫湖は都会の中心に位置しながら自然に囲まれてた憩いの場として地域のみなさんに利用されています。北岸の漫湖公園にはジョギングコースが整備され、多くの市民が汗を流しています。また、漫湖の下流には奥武山公園があり、祭りやスポーツ大会をはじめとする様々なイベントでにぎわっています。
また、近隣の小中学校では漫湖を環境教育・総合学習の場として利用する取り組みも行われています。