第4回 沖縄県こども環境会議 | The 4th Children’s Eco-forum 2013

概要

  • 期日:2013年7月13日(土)~7月14日(日)
  • 参加団体:漫湖こどもエコクラブ、久米島ホタルの会(久米島ホタレンジャー)、大宜味村立喜如嘉小学校
  • 会場:漫湖水鳥・湿地センター(豊見城市)、糸満青少年の家(那覇市)
  • 主催:漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会
  • 後援:沖縄県教育委員会、那覇市教育委員会、豊見城市教育委員会、久米島町教育委員会、石垣市教育委員会、宮古島市教育委員会、座間味村教育委員会、渡嘉敷村教育委員会、浦添市教育委員会
  • 協賛:オキコパン株式会社、沖縄コカ・コーラボトリング株式会社、森永乳業株式会社

会議の実施状況

7月8日に発生した台風7号は、本会議1日目の13日に先島地方を通過したため、参加を予定していた伊良部高校、名蔵小学校は不参加を余儀なくされました。会議そのものの中止も検討される中、喜如嘉小学校と漫湖水鳥・湿地センターこどもエコクラブは「参加可能」、久米島ホタレンジャ―は「集合時間には間に合わないものの、夕方までには到着できそうー実施してもらいたい」との返事がありました。このような状況下にあって、3団体での開催も可能と判断し、当初の予定どおりの日程で開催することにしました。

会議の実施にあたっては、過年度会議と同様に子どもたちの主体性を重要視し、子どもたちの自由な発想や自由な行動を可能な限り尊重するように配意しました。今回の会議においても、第3回会議までと同様に県内各湿地で活動するこども達の「交流」が大きな目的の一つであり、「交流」を通して「湿地保全や自然環境保全活動の新たな展開に向けて意見を交換」し、議論した内容を大会宣言としてまとめることを目指しました。

(1) 一日目

受 付・オリエンテーション

初日は、漫湖水鳥・湿地センターに14:00の集合でした。喜如嘉小学校と漫湖水鳥・湿地センターこどもエコクラブは定刻の14:30までに受付を済ませました。
14:30からは、鹿谷麻夕氏(しかたに自然案内)をコーディネーターとして、子どもたちの顔合わせと誕生月日によるグルーピングを行いました。本会議中は、各団体の湿地紹介・活動報告以外は全てこの班毎に行動することし、会期中の注意事項等を確認しました。

湿地紹介

15:30分から16:30までは、子供たちが活動している各湿地の紹介を行いました。当初各団体の持ち時間はそれぞれ10分間程度で予定していたものの、同時間帯の発表が2団体になったため、大幅に時間に余裕ができました(久米島ホタレンジャは、飛行機の順延などにより到着が遅れたため、翌日の活動報告時に紹介していただいた)。
よって、コーディネーターの鹿谷麻夕氏から各湿地の子供達一人一人に「好きな生き物」、「好きな風景」等を質問し、湿地じまんをやってもらいました。こども達の自慢はカニやトントンミー、ホタル、ヘビ等生き物に集中している感がありました。

フィールドワーク ー底生生物のはなしー

16:30分からは、水鳥センター北側水路からくじら公園地先の湖岸で、那覇市立森の家みんみんの藤井晴彦氏の漫湖の底生生物に関する講話を受けました。

フィールドワーク開始時には、台風による飛行機の運休等で遅れていた久米島ホタレンジャ―のお友達も合流し、予定の参加者が全員顔を揃え、賑やかなフィールドワークとなりました。子供たちは、知っている生き物を見つけては歓声をあげ、初めてみる生き物を見つけては講師や知り合ったばかりの友達に質問しながら、徐々に交流を深めました。漫湖水鳥・湿地センターこどもエコクラブのメンバーは、地元の意識からか一生懸命説明を繰り広げていました。

本会議の参加団体は、それぞれの活動場所が「田んぼ」、「渓流湿地」、「干潟」と異なることから、地元の漫湖水鳥・湿地センターこどもエコクラブのメンバー以外の参加者にとっては、興味深い観察会となったようです。

糸満青少年の家への移動・夕食

フィールドワーク終了後の17:40に貸し切りバスに乗り込み、「糸満青少年の家」に向けて出発しました。ひよどり公園、県道7号線を経由して、研修・宿泊施設の「糸満青少年の家」に定刻の18時に到着しました。

青少年の家到着後は、ロビーにて施設管理者からの注意事項等のレクチャーを受けました。注意事項の中では、ハブの出没の件にこども達が一斉に反応したのが印象的でした。その後、シーツを受取り、各部屋に貼りだした部屋割り表に従い、荷物の搬入、寝床の準備等を行いました。お待ちかねの夕食タイムは、1階の数百人収容可能な大食堂です。夕食は概ね班ごとに座り、冗談を交わしつつ急速に打ち解けていきました。

糸満青少年の家での研修

夕食後は、研修室にて、翌日の大会宣言に向けての意見交換を行いました。

コーディネーターの鹿谷氏の手慣れた進行と軽妙な話に導かれ、大会宣言文のキーワードの抽出を行いました。各班のリーダーは決めていませんでしたが、自然と高学年者が中心になってまとめ上げていきました。最終的には、小学生から高校生までが自由な雰囲気の中で積極的に話し合い、キーワードの抽出を行いました。

就 寝

シャワーの後、大部屋の一角に各自自分の寝床を確保し就寝となりました。

半日の活動を通して初対面とは思えないほど打ち解けたこどもたちは、興奮からかなかなか寝付けないようでした。それでも、日中の緊張と疲れからか、昨年より参加者が若干少ないせいなのか1時間ほどでは眠りにつきました。

一部の団体の皆さんは、大はしゃぎする仲間をよそ目に、翌日の活動報告の最終チェックに余念がありませんでした。

(2) 二日目

起 床・朝の活動等

二日目は、6:30の起床で始まりました。洗面後は、朝の活動として、こども環境会議のメンバーに割り当てられた4F研修室・廊下、4~1F階段、風呂場等を全員で清掃しました。寝具を片づけて、各自の荷物を整理した後、7:30から朝食を摂りました。朝食後、貸し切りバスにて、こども会議主会場の漫湖水鳥・湿地センターへ移動しました。

環境会議(その1)-活動紹介・グループディスカッションー

こども環境会議最終日は、漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会会長の宜保晴毅豊見城市長からの歓迎と激励の挨拶で始まりました。

こども環境会議(その1)は、コーディネーター鹿谷麻夕氏の進行のもと、9:30に開始しました。会議は、各団体が活動拠点とする湿地での活動報告から始まりました。各湿地の活動の紹介を興味深く聞いていた参加者は、自身の活動と照らし合わせつつ、大いに刺激を受けたようでした。3年前にコカコーラ環境大賞を受けた久米島ホタレンジャ―、昨年文部科学大臣環境賞を受賞した喜如嘉小学校の活動報告は、何れも長年の活動実績に裏打ちされた報告でした。引率者を含む関係者の大人をもうならせる内容でした。特に、喜如嘉小学校の報告は、20数年間に渡るデータを基礎にしており、報告するこども達も過去の実績に誇りを持ち、卒業生した先輩方に感謝していることが言葉の端々に伺えました。短いスパンでのメンバー入れ替えが多いこどもエコクラブの継続的な活動に多くの示唆を与えてくれました。

今後は、それぞれの参加者が他団体の活動を参考にして、各団体の新たな活動の糧にしてくれるものと期待いたします。

グループディスカッションでは、大会宣言に盛り込む文案を班毎に検討しました。「大会宣言文の語調を琉歌形式で作成しては?」とのコーディネーターからの提案があり、こども達は琉歌形式で作成することを決定しました。

昼 食

昼食は、水鳥センター玄関前のコウシュンカズラのパーゴラ下で摂りました。メニューは、冷やし中華&おにぎりでした。そよ風の中、すっかり打ち解けた仲間同士、楽しい昼食となりました。

フィールドワーク

しかたに自然案内の鹿谷法一氏を講師として水鳥センター木道においてこども環境会議の内容を踏まえての観察会を実施しました。

環境会議(その2)-大会宣言文の採択ー

環境会議(その2)は、大会宣言文の採択を目指しました。大会宣言のテーマは以下のとおりです。

  • 湿地環境を守るために訴えたいこと
  • 沖縄の自然環境を守るために訴えたいこと

会議は、環境会議(その1)で作成した大会宣言文の素案を黒板に書き出し共通のキーワードを探すことから始めました。いくつかのキーワードを抽出して後、各自の思い入れを加味しつつ、大会宣言文に盛り込む文言を決定しました。この文言の並びに留意するとともに、琉歌の形式(8 8、8 6の30音)に則って宣言文を作成しました。採択した大会宣言文は、以下のとおりです。

きれいな風景 残していこう 自然いっぱいの ウチナーーの島  

講 評

こども会議終了後、漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会事務局長環境省那覇自然保護事務所の植田所長より、講評をいただきました。

閉 会

最後に、漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会副会長那覇市長代理の那覇市来間環境部長から二日間の会議に対する慰労と感謝の言葉とともに来年の再会を祈念して、閉会といたしました。閉会後は、二日間ですっかり仲良くなった子供たちがふざけあいながらも、第5回大会での再会を約束して、15時には解散となりました。